著者
ワチャラチャイ コーブルアン
出版者
麗澤大学大学院言語教育研究科
雑誌
言語と文明 : 論集 (ISSN:21859752)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.33-59, 2017-03

本研究は、物語ナラティブにおいて、タイ語の関係節がどのように使用されているかを明らかにするため、タイ語の物語で使用された関係節を収集し、構造的および機能的に調査した。高橋(2011)による、「thîi 関係節」「sʉ̂ŋ 関係節」「裸の関係節」という3 つの関係節化形式の分類で分析した結果、タイ語の関係節は、各形式の統語的パターン、および使用される機能の傾向がわかった。「sʉ̂ŋ 関係節」と「裸の関係節」は主名詞が修飾節の主語という決まったパターンで使用されていたが、それに対して、「thîi 関係節」は修飾節の中で主名詞の統語上の位置は様々なパターンでもっとも生産的に用いられ、そして、「限定的用法」も「非限定的用法」もあり、益岡(1995)が指摘する、修飾節と主節の意味的な関係の用法もみられた。