著者
ヴァルター ドレーアー
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1973, no.28, pp.1-13, 1973-11-15 (Released:2009-09-04)
参考文献数
26

今日、「人間学」という概念は好んで使われる流行概念になっている。さまざまな個別科学がこの概念を使用するのは、この概念によってどのような形で理解された人間学であれ、個別諸科学の経験的な研究成果の人間学的な解釈を求めているのだ、ということを言い現わすためである。こうして、文化人類学 (Kulturanthropologie) と並んで、生物学的=、医学的=、社会学的=、心理学的=、および神学的人間学が確立されてきたのである。教育科学の内部においても同じように、このような『内部的な固有の人間学』 (Binnenanthropologie) が作り出されたのである。つまり教育的人間学である。以下において、教育的人間学が哲学的人間学に対してどのような関係にあるかを概略的に指摘することにしたい。その際に、私たちは多少詳しく哲学的人間学に論及し、そこから教育的人間学のいくつかの問題に対する展望を得ることにしたい。