著者
パオロ ベラビーテ アニータ コンフォルティ ヴァレリア ピアセレ リカルド オルトラーニ
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.35-69, 2010 (Released:2011-07-23)
参考文献数
45

2 世紀以上にわたって集められたホメオパシーのデータの莫大な量から分かるように,ホメオパシーは実験的な学問として生まれた。しかし,ホメオパシーの医学的伝統は,長い間,従来科学の学問分野から切り離されてきた。従来の科学的な見識では,ホメオパシーは偽薬(プラシーボ)以上の効果がないが,若干の臨床データと併せて溶質の極めて高い希釈剤による実験では幾つかの状況で作用する可能性があり,興味をそそる事実を暗示している。 今日,過去 20-30 年間にわたってホメオパシーが現在の医学の方法をはじめ,相当数の実験的研究が,分子,細胞,臨床レベルで利用可能になったので,以前は対立のように見られた,幾つかの学問領域間への浸透が促進されてきている。 おそらく炎症と免疫は体の自然治癒力の伝統的な『生命力』に密接に関連があるので,施療師と患者の対話による一般的に進歩してきている 1 つの領域は,その治癒力に関するものである。一連の文書類で,我々は,ホメオパシーの歴史的起源,免疫薬理学の分野に関連する実験室と動物モデル,炎症性疾病とその作用機序に関する仮説におけるホメオパシーの賛否の臨床所見をチェックする。最後に,我々はホメオパシー手法の特定の特徴を明確に説明する。それは全有機体としての人に対する治療を特定することを特に重要視する。