著者
ヴィラーグ ヴィクトル
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 = Nagasaki International University Review (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
no.20, pp.65-75, 2020-03

近年、ソーシャルワークにおける国際的な諸基準は性の多様性について明確な立場を示しているが、日本の専門職界においてLGBTに関する取り組みはまだ少ない。本稿は、日本を含めて性的マイノリティの実態の把握と関連基準の比較を目的とする。この目的を達成するために、本稿は4部構成となっている。 第一部は、性の多様性をソーシャルワークにおいてどのように理解すれば良いかについて論じ、クライエントの性をアセスメントするために、身体・心理・社会・文化的・スピリチュアルな枠組みを採用している。第二部は、世界中と日本のLGBTについて入手可能な国内外の量的データをまとめている。第三部は、性の多様性に関するソーシャルワークの専門的な基準に係る国内外の文書を比較している。第四部は、理論的モデルのレビューに基づき、LGBTに特化して、反差別的及び文化的力量アプローチに基盤をおいたソーシャルワークの原則を整理している。