著者
ヴォロビヨワ ガリーナ
出版者
国立国語研究所
雑誌
世界の漢字教育 : 日本語漢字をまなぶ : 国立国語研究所第8回NINJALフォーラム
巻号頁・発行日
pp.48-57, 2017-01-20 (Released:2017-03-14)

会議名: 国立国語研究所第8回NINJALフォーラム, 開催地: 一橋大学 一橋講堂 (学術総合センター), 会期: 2014年9月21日, 主催: 国立国語研究所, 共催: 国際交流基金日本語国際センター, 後援: JSL漢字学習研究会
著者
ヴォロビヨワ ガリーナ
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.149, pp.16-30, 2011 (Released:2017-02-17)
参考文献数
19
被引用文献数
2

漢字学習の支援を目指して,非漢字系日本語学習者の漢字学習の問題点の一側面を明らかにするとともに,計量的なアプローチによって漢字字体情報処理システムを開発した。本研究は下記のような流れによって行った。①新常用漢字にもとづき書記素の種類を定義し,そのコード化の案を作成した。②新常用漢字にもとづき部首以外で使用されている最小意味単位である構成要素を抽出し,構成要素のコード化の案を作成した。③アルファベットと数字を用いた漢字のコード化の案を作成した。④漢字辞典の調べ方の効率化を目指し,漢字のコードにもとづいた新しいタイプの索引を開発した。⑤漢字の複雑さの判定規準を考察し,複雑さの指数を定義した。⑥複雑さの指数による新常用漢字の分類を行った。
著者
ヴォロビヨワ ガリーナ ヴォロビヨフ ヴィクトル
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.163-179, 2017-01

本稿では,非漢字系日本語学習者の漢字学習を困難にさせている「膨大な学習対象漢字の量」,「漢字字体の複雑さ」,「漢字を構成する要素の多さ」という阻害要因について検討した。そして「漢字学習能力段階」という概念を定義して,上記の阻害要因を学習者に乗り越えさせるための対処法を提案した。漢字学習の効率化の手段として漢字体系の深い理解を促す漢字学習法が必要である。そのため現常用漢字をカバーする構成要素体系を作成した。漢字の意味を構成要素の意味から推測できるようにすることは重要であり,漢字構成のよりよい理解のために階層構造分解について記した。階層構造分解の際は構成要素だけではなく,構成要素の組み合わせである中間漢字も漢字の要素として扱うことにした。漢字の階層構造分解は漢字を識別する際に重大な役割を果たしている。また学習対象漢字の選択と掲出順序を自由に決められるように「世界観」の漢字意味ネットワークを紹介した。Learners of Japanese from a non-kanji background encounter inhibition factors that cause difficulty in kanji study; such factors require solutions to facilitate the study of kanji. This paper discusses the following inhibition factors that arise from the inherent characteristics of kanji: the large number of kanji to be studied, the complexity of kanji form, and the large number of kanji constituent elements. This paper defines a graded concept of kanji learning proficiency, and proposes a graded method to help learners overcome these inhibition factors. This paper applies a pattern recognition theory to the kanji forms, enabling learners to identify the characteristics of kanji by recognizing their constituent elements. In addition, this paper proposes the concept of "World View," a network of kanji meanings that allows flexibility for learners or teachers to choose the number and order of kanji to study. Finally, this paper discusses evaluation methods of kanji study proficiency, using the JF Standard for Japanese-Language Education as a foundation.