著者
一木 重夫 海津 ゆりえ
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.37-51, 2006-03-31

本研究は、地域全体で取り組むエコツアーが持続的に運営されるために求められる条件を明らかにすることを目的に、東京都が実施した小笠原諸島におけるエコツアーへの参加者(以下、エコツーリストと呼ぶ)をモニターにしたアンケート結果に基づき、エコツアーの満足度を評価したものである。その結果、ガイドのコミュニケーション・エンターテイメント能力(以下、CE能力と呼ぶ)がエコツーリストの満足度に最も影響を及ぼすことが示唆された。一方で、エコツーリストは、ガイドのCE能力を高く評価しているにも関わらずさらなる改善を求めていること、及びガイドにさらなる知識力を強く求めていることが示唆された。また、ガイドのプログラムの企画力をより向上させることは、緊急性の高い課題であることが示唆された。満足度は、エコツアーを実施する地域の間で格差があり、男性よりも女性の方が、若干満足度が高くなることが示唆された。また、年代が上がるに連れて満足度が減少することが示唆された。