著者
丁 仁京
出版者
麗澤大学大学院言語教育研究科
雑誌
言語と文明 : 論集 (ISSN:21859752)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.35-49, 2014-03

本稿では、韓国語の「連体形+名詞」構造における語形成と、日本語の連用形における語形成との比較を行った。韓国語の「連体形+名詞」構造の中には、①日本語の「動詞連用形+接尾辞」と同様に、実質的に名詞一語相当の総称的表現を作るもの([[連体形]VP geos/gos]N)と、②「連体修飾+主名詞=名詞句」という構造を持ち、連体節が文字通り名詞を修飾し、主名詞が表すものの分類・限定を表す節を構成するもの([[連体形]VP N]NP)がある。[[連体形]VP geos/gos]N において、'geos(もの)' 'gos(ところ)'が主名詞というよりは名詞化辞に近い機能を持ち、形容詞-n 連体形、動詞-l 連体形も、分類・限定というよりは内容補充的な機能を持ち、形容詞は「属性」を、動詞は「目的・用途」を表す。日本語は形態面から一語であることが明確であるのに対し、韓国語では形態面からは一語である場合も句である場合もあり得る。