著者
佐藤 邦忠 三宅 勝 菅原 正善 武山 友彦 大橋 昭市 岩間 長夫 岩野 信也 七海 清志
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.447-450, 1973-08-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
4

種雄馬を効率的に利用するには精液性状の適確な判定と,一年を通じて精液を採取(以下採精と略記)することが重要である.今回非繁殖期に種雄馬より採精する機会を得たのでその結果について統計学的分析を試みた.材料は十勝管内で種雄馬として供用中のブルトン種2頭,ペルシュロン種1頭の計3頭,期間は1969年11月より1970年1月まで,採精頻度は1日1回,5日連続,2日禁欲の繰返しで行ない,延180回の射出精液を使用した.精液性状の各検査項目の平均値は精液量:62.5ml,pH値:6.8,精子活力:45.9%,精子濃度:2.1×108/ml,原形質滴付着精子の出現率(トロッペン率):15.4%,精子奇形率:27.8%および精子耐凍性:30.8%で,各検査項目中,重相関係数に有意性が認められたのは量,活力,濃度,トロッペン率,および頭部奇形率であった(p≤4.05).また精液性状の各検査項日中,2要因を選び,耐凍性を推定するための重回帰方程式として次式を求めた,Y=10.29+0.34X3+2.38X4;Y:耐凍性の推定値,X3:活力,X4:濃度