- 著者
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藤田 壽憲
三井 和幸
川嶋 健嗣
香川 利春
- 出版者
- 東京電機大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2001
プロセス分野においてはIT化が他に先駆けて進められている.しかしながら,その使用環境は防爆領域であり,IT化に必要な電気的なインフラがないに等しい.そこで本研究では,プロセス機器の駆動源として用いられている空気圧を電気エネルギーに変換する機構について提案し,これを実現することを目的としている.提案する発電機構はピストンとシリンダのみで自励振動を発生する空気圧バイブレータの先に,磁石とコイルを取付け発電するシンプルな機構である。以下、具体的な研究概要を示す。1.発電効率の分析と高効率化無論,発電機構には,高効率であることが望まれるが,シリンダ寸法,コイル素線径など,効率を支配するパラメータは数項目にも及ぶ.そこで,シミュレーションにより効率の解析を行った。パラメータと効率変化との関係を調べ,最高効率点があることがわかった.シミュレーションにより高効率化のおおよその方向性がえられているが,理論的な解明にはいたらなかった.2.静圧軸受機構の検討提案する発電機構は数十ヘルツで振動するため軸受部の非接触化が必凄である。そこで静圧軸受機構による非接触化について検討し,製作の非常に容易なステップ状の静圧軸受を提案した.解析の結果、高剛性が得られる最適な形状が存在することが明らかになり,これを実験により確認した.また、これを発電機構に組込んで軸受の性能評価を行ったところ、実用的にも問題ないことを確認した.3.整流および昇圧回路の設計・製作電源としては12V以上の直流電圧が要求され、発電機構から取り出せる電源を整流、昇圧することが必要である.そこで、そのための回路を設計製作して実際にプロセス機器に接続した.機器を安定に動作させることができたが、機器の出力が変動すると供給圧力を調整する必要あり、負荷変動時の対応策について検討する必要があることがわかった.