著者
三好孝治 藤下憲明
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.495-496, 2013-03-06

江戸期廿日市宿の本陣は、伝来文書が焼失し、往時を知る資料は少ない。弘化3年に描かれた間取り図、国郡志御編替下しらべ帳に記載されている間取り、正徳年間町屋絵図の間口と奥行きの寸法を参考にして復元した。また、西国街道沿いに現存する郡山宿本陣、矢掛宿本陣、神辺本陣に加えて、玖波宿の本陣復元想定図などから、屋根や窓などの形状を推定した。 母屋は入母屋造り、御玄関は唐破風屋根、厨子二階の窓は、廿日市周辺の町屋の特徴である漆喰で塗り固めた角に丸みのない虫子窓、塀は建物の場合と同様の真壁作りとし、控柱を設置した。宿場町の象徴的な建物である本陣の復元が、市民に地域の歴史・文化に関心をもってもらうための一助となれば、地域貢献に繋がるものと期待している。