著者
沼田 真 三寺 光雄
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.311-319, 1961 (Released:2008-12-18)
参考文献数
21
被引用文献数
1

今まで生態学で行われてきた環境解析には不十分な点が多い。たとえば,土壌学的に土壌条件を解析することはできても,それが植物の生活にいかなる意義をもち,どんな役割をはたすかにについて適確に判定できなければ,生態学的に土壌環境を解析したことにはならない。われわれは,竹を材工料として,生態学的環境解析の方法を確立するための実験を行なつている。さきに(三寺・沼田1960),分散分析と因子分析の方法を用いて,きいている環境要因を探索する方法を述べたが,そこで推定された第1因子としての発筍期の雨量という水条件の意義を確認するために行なつた実験について報告したものが,本稿である。実験は現在も続行中であるし,総括にも述べたような問題点が多く残されているのであるが,今までにえられた結果を報告する。