著者
三島 怜 小川 恵子 有光 潤介 津田 昌樹
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.29-33, 2017 (Released:2017-07-05)
参考文献数
11
被引用文献数
1

一般的にがん終末期においては,症状は右肩下がりに悪化し,症状の改善を図ることは非常に困難である。中でも骨転移疼痛のコントロールは難しい。症例は67歳男性,左腎癌右骨盤骨転移にて,緩和的化学療法や疼痛緩和治療が施行されていたが,疼痛コントロールが不十分であった。当初盗汗を主訴に湯液治療を開始し,さらに骨転移疼痛に対する疼痛緩和目的で鍼灸治療の併用を開始した。併用治療により,十分かつ,迅速な疼痛緩和が得られたため報告する。