著者
三村 聡志 佐々木 良一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.1944-1953, 2016-09-15

サイバー攻撃における原因調査では様々な情報を照らし合わせ,当時の状況を推測してタイムラインを作成し,原因の判定を行うことが必要となる.だが,情報には後から取得可能な情報以外に,揮発性情報と呼ばれる時間の経過にともなって情報の取得が困難になる情報が存在し,対象コンピュータの操作や電源断等によって簡単に消えてしまうという問題点がある.この問題に対処するために,著者らはプロセスの立ち上げや終了,そしてそのプロセスが接続を確立した接続先の情報を,安全にかつシステムにあまり負荷をかけずに記録する方式を提案する.さらに,著者らは,上記の手法を実現する等のために開発したOnmitsuと名付けたドライバプログラムについても報告する.このプログラムを実際の問題に適用することにより,このプログラムが目的を達成することが確認できた.本論文では,提案手法,開発したプログラム,適用結果,ならびにパフォーマンスに関する評価結果を報告する.