- 著者
-
三枝 隆裕
藤尾 雄策
- 出版者
- 日本食品化学学会
- 雑誌
- 日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.2, pp.230-235, 1998
- 参考文献数
- 21
ケフィラン水溶液およびケフィランを無水コハク酸を用いアシル化して得たコハク化ケフィラン水溶液について、特性を比較した結果、ケフィランは低温保存またはエタノールの添加によりゲル化することが認められたが、コハク化ケフィランは、溶液状態での安定性に優れ、高濃度のアルコール類中で長期に渡り保存しても、透明性を保ちゲル化することのない特性を持っていることが確認された。また、コハク化ケフィラン水溶液には、ヒアルロン酸ナトリウム水溶液と同等以上のヒト皮膚への高い保湿効果が認められた。現在、著者らは、コハク化ケフィランを化粧品原料として実際に利用している。さらに、コハク化ケフィランは、その溶液としての優れた安定性から食品、医薬品への工業的な利用が充分可能であると判断された。