著者
三浦 偉久男
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.2, pp.503-508, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
8

悪性リンパ腫のKiel分類がリンパ性腫瘍のREAL分類になり,さらに骨髄増殖性疾患・骨髄異形成症候群・急性白血病の分類であったFAB分類を包含し,WHO分類(2001)となった.現在用いられているWHO分類(2008)はその改訂版である.WHO分類では,特徴的な染色体異常を持つ急性白血病は独立した病型になる.このことは,この分類を用いるには染色体検査が必須であることを示す.その他は形態を中心に分類されるが,新知見が集まれば特異的異常を持つ独立した病型がさらに抽出されていくことが予想される.したがって,将来にむけ各症例の形態・免疫形質に加え,染色体検査結果を記載しておく必要がある.WHO分類における染色体異常の記載には,まだ必ずしも多数の同意を得ていないものも含まれるので注意が必要である.