著者
富岡 美恵 来間 弘展 尾池 純太 三浦 祐介
出版者
Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
雑誌
物理療法科学 (ISSN:21889805)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.59-64, 2017 (Released:2022-09-03)
参考文献数
11

スポーツ現場やリハビリテーションにおいて,運動後に起こる遅発性筋痛の回復を促進するために,マイクロカレント療法やストレッチングを行う.これらの治療が,運動後の筋にどのような影響を及ぼすかを検討した.健常成人30名に対し,30%MVCのダンベルにて肘関節の屈曲・伸展運動10回5セット行った.運動後に,MCRとセルフストレッチングを組み合わせて施行する群(MCR群),セルフストレッチングのみを施行する群(Stretch群),コントロール群(Control群)に分け治療介入を行った.運動負荷前・運動負荷直後・24時間後・48時間後・72時間後に,筋硬度・疼痛閾値・最大筋力を測定した.筋硬度は,MCR群では48時間後以降で24時間後と比較し優位な低下を認めた.疼痛閾値は,24時間後において全ての群で優位な低下を認め,MCR群とStretch群は72時間後において24時間後と比較して優位な上昇を認めた.マイクロカレント療法とセルフストレッチングの併用は筋硬度や疼痛閾値を早期に改善させ,遅発性筋痛に対し効果的であることが示された.