著者
東野 俊英 山崎 雄貴 千田 聡子 堀之薗 弘 三浦 義則
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.131, no.9, pp.2045-2049, 2021-08-20 (Released:2021-08-20)
参考文献数
8

遅発性大型局所反応(delayed large local reaction)はModerna社製新型コロナウイルスワクチンmRNA-1273の代表的な接種後副反応であり,紅斑,皮下硬結,圧痛などの症状が接種後およそ7日目から11日目まで継続する.今回我々は第1回目接種後に生じた遅発性大型局所反応の3例を経験した.症例間で皮疹の範囲や圧痛の程度に差があったが,いずれも無治療か対症療法で軽快した.この副反応は特徴的な臨床経過から容易に診断可能であり,2回目は1回目よりも軽い傾向にあるため,生じた場合にも第2回目の接種を制限する必要はない.