著者
三浦 義記
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.2, pp.111-115, 2007 (Released:2007-02-14)
参考文献数
36

これまで数多くの薬剤が抗てんかん薬として研究開発され,種々の発作タイプに有用性を発揮している.これらの創薬初期段階では殆んどのケースでゴールドスタンダードと称される動物モデルを用いた評価によりその活性が見出されてきたが,そのような一元的な活性の検出でありながら,薬剤毎にそれぞれ独自の顔を持ち,新たな有用性が示唆されている.また,新規な標的分子の発見など作用メカニズム解析でも興味ある知見が得られているところから,近年話題性のある幾つかの化合物例について新たな機序を含めた作用プロフィールを紹介した.更に,抗てんかん薬の創薬研究における最適化手段として動物モデル評価の位置付け,意義などを考察すると共に,本研究領域において今後期待される研究課題を展望した.