著者
三田 長義
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.915-920,a1, 1999-09-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9
被引用文献数
1

わが国の土地改良に関する法制は, 明治維新から始まり明治・大正・昭和十年代にかけて土地に関する法規と水利に関する法規とが制定され, 主として土地の所有者が農地の改良, 水田の開発, 道水路等の施設維持を行う仕組みとなっていた。戦後における占領制度と農業事情等を背景として, これらの農業関係法制が廃止され新たな土地改良法制が誕生することとなったもので, 本稿は, 土地改良法制定30周年を記念して作成された「土地改良制度資料集成」から要約して土地改良法制定の背景と経緯を紹介する。この法律が占領政策の中にあって, 新たな耕地行政の柱となるべく法案づくりにご苦労された方々を取り巻く背景の一部でも知っていただきたい。