- 著者
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三田地 (堀) 真実
- 出版者
- 日本音声言語医学会
- 雑誌
- 音声言語医学 (ISSN:00302813)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.4, pp.435-442, 1996-10-20 (Released:2010-06-22)
- 参考文献数
- 15
人工呼吸器を装着しているために発声が困難で, かつ, 重度の四肢麻痺を呈している高位頸髄損傷患者に対して, (1) 患者の口唇の動きを読み取る, (2) 家族が考案した文字版, (3) 喉頭摘出患者用の電気喉頭, (4) 口唇・舌などを用いたサイン法, (5) 漢字Pワード, (6) ベンチ・ボイス, (7) 酸素を使用した方法, (8) 吸入器を使用した方法, (9) 人工呼吸器の呼気部を利用した方法の9種類のコミュニケーション方法を試みた.その結果, おのおのの方法にはそれぞれ利点・欠点があり, 最終的に患者は二っの方法を併用して使うに至った.つまり, ごく簡単な決まりきった内容であれば, (1) 口唇の動きを読み取る方法を, 多少複雑な内容であれば, (8) 吸入器を使用した方法を実用的に用いた.この経過から, 各コミュニケーション方法が実用的な使用に至る要因, その場合の患者の条件について検討した.