著者
長島 和茂 三矢 拓郎
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

温度変動下のストームグラス中の結晶の見た目の特徴の理解を目的に実験を行った。試験管中の結晶集団には多層の構造があることがわかり、それぞれの層の成因は初期核形成、その後の樹枝状成長、樹枝状結晶上方の溶液中における核形成、さらには、樹枝状成長と核形成の繰り返しにあることが分かった。層ごとの層厚の時間変化の解析(多層解析)を行った結果、層はその起源によって厚さが「一定」、「減衰」、「パルス的」、「振動」の4つに分類され、サンプル溶液の成分数に依存してどの過程が関与するか異なることを見出した。このように、温度変動下の複雑な多結晶集団挙動を層ごとの解析という粗い基準を用いて特徴づけることができた。