著者
景山 秀二 三重野 孝太郎 小山 隆之 小林 茂俊
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.579-583, 2020-12-20 (Released:2020-12-20)
参考文献数
9

小児の食物アレルギー患者は現在も増加しつつあり,治療として食物除去を行っている場合は患者のquality of life(QOL)が低下するため,社会問題ともなっている.中でも牛乳は食物アレルギーの主なアレルゲンで食物アレルギー全体の2割程度を占め,特に乳児期に多く発生する.今回我々は,牛乳タンパクを練りこんだレーヨン繊維を使用した肌着の着用後に接触蕁麻疹を呈した4か月の牛乳アレルギーの男児例を経験した.本症例では数日前よりミルク摂取にて皮膚の即時型症状が出現していたが,当該肌着の着用直後に肌着の接触する体幹部を中心とした発赤,紅斑,膨疹が出現した.牛乳,カゼイン特異IgE抗体は陽性で,当該肌着のパッチテストにて発赤,膨疹が観察されたため,診断が確定した.最近,アレルゲンとなりうる食物タンパク由来の物質が食品だけでなく,衣類,化粧品などに添加されることが増えているが,安易な添加はアレルギー症状の発症を誘発する可能性もあり注意を要する.