著者
吉本 亮子 末松 智子 三野 幸人
出版者
徳島県立工業技術センター企画情報課
巻号頁・発行日
pp.21-25, 2017 (Released:2017-09-04)

タチウオを原料とする魚醤油製造において,酵素剤を用いることによる呈味性への影響について評価を行った。その結果,数種の酵素剤を使用することにより,アラニン,アスパラギン酸,グルタミン酸,グリシンといった旨味や甘味を呈する遊離アミノ酸が増加し,さらに麹を使用することにより糖や有機酸の増加も確認された。味に関して他社製品との比較を行った結果,魚醤油の欠点として敬遠されがちなトリメチルアミン含有量が非常に少ないこと,旨味の先味が強いこと,国外産より旨味コクが弱いことが明らかとなり,あっさりとした旨味のある魚醤油として差別化できることを確認した。