著者
良久 晴美 三好 栄子 上ノ町 仁 加治屋 昌子
出版者
日本糖尿病教育・看護学会
雑誌
日本糖尿病教育・看護学会誌 (ISSN:13428497)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.164-168, 2009-09-15

1998年1月から2007年12月までに出産した妊娠糖尿病296例に対し,外来インスリン導入の実態を調査した.296例中203例(68.5%)がインスリン治療となり,そのなかの187例(92.1%)は大きなトラブルもなく外来でインスリン導入をすることができた.その背景には,内科における妊娠と糖尿病についての教室(妊婦教室)に参加することでインスリン治療の必要性を理解してもらえたこと,血糖自己測定の施行率が食事療法のみの妊婦も含め100%であったこと,栄養指導が100%,昼食会を含む栄養指導の参加率が96.2%であったこと,外来インスリン導入システムをもっていること,導入後のフォローアップ体制が確立していることなどがあるためと考えられた.一方,外来導入の困難な例も16例みられたことから,患者の状況に合わせて入院導入をすることも重要であると考えた.