著者
上原 厳
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.493-496, 2001-03-30
被引用文献数
1 1

ドイツ国内には,クナイプ療法地という自然保養地が多数存在するが,本論では,そのクナイプ療法の発祥地であるバイエルン州バート・ウェーリスホーフェン市がどのように保養地として発展したのか,その特徴を明らかにすることを目的とした。調査の結果から,同市は前身が農村田園地帯であり,自然保養地としての基盤条件を備えていたこと,中世にカトリック教会が待ちの造成基盤をなし,19世紀中頃に同教会修道院にセバスチャン・クナイプ司祭が赴任して自らのクナイプ療法を同地に伝えたことにより保養客が増加し村の施策転換をもたらしたこと,そしてその後の各施設建設と行政による環境整備が保養地形成を進めてきたことなどが明らかになった。