著者
上原 正人 上嶋 俊彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.963-970, 1985-12-15

鶏の尾髄は第37節から第41節までの5節からなるが, 灰白質は第39節まで認められ, 背腹角を区別しえたのは第37節のみであった. 大型の運動神経細胞は第39節でごく少数みられたが, 第40節および第41節の頭側部には小型神経細胞のみが見られた. 変性軸索は尾髄を通じてしばしば見られた. 第41節は尾端骨中の脊柱管内にあり, おもに多量のグリコーゲン果粒を含む線維性星状膠細胞と上衣細胞から成っていた. また, この節には血管がみられず, 多量のグリコーゲンの存在との関連が示唆された. 脊髄の尾端で中心管は開放し, 直接クモ膜下腔と連絡し, 中心管内の脳脊髄液の活発な移動に役立つものと思われた.