著者
上妻 尚子 藤田 美貴
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.93-97, 2009-04-10 (Released:2016-08-25)
参考文献数
8

血圧値は, 被験者の生理的条件や測定者の測定方法によって変動しやすい. 特に水銀血圧計による血圧測定は, 血圧計の操作に加え, 測定値を得る際には視覚 ・ 聴覚 ・ 触覚を同時に活用させる必要があり, 初めて血圧測定技術を学習する者にとっては習得が難しい技術である. 本研究は, 血圧測定技術を学習後 1年経過した学生を対象に, 学生の履修状況に応じた教員の血圧測定個別指導前後における学生自己評価と教員評価を比較することによって看護学生が血圧測定技術を習得する際に陥りやすい傾向を考察し, 今後の血圧測定技術教育における示唆を得ることを目的とした. その結果, 血圧測定技術を学習後 1年経過した学生の血圧測定技術の自己評価は過大評価の傾向がみられた. また, 血圧測定技術の項目によって学生が忘却しやすいもの, 誤った技術を習得する危険性のあるもの, 習得そのものが難しいものという特徴がみられた. さらに, 血圧測定技術を学習後 1年経過した学生に対する習得状況に応じた個別指導は, 効果があることが示唆された.