著者
上村 和宏 星野 春男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.577, pp.1-6, 2007-03-01
被引用文献数
3

ブロードバンドネットワークの普及に伴い,IPを用いて映像を配信するIPTVの技術的検討が進んでいる.一方,家庭ではPCやAV機器を接続するイーサネットベースの宅内ネットワークの利用が増えており,今後宅内ネットワークにおいても放送と通信の共存が進んでいくと思われる.しかし放送信号の多重化方式(MPEG-2 Systems)では,復号器のクロック再生基準となるPCRの伝送に対して厳しいジッタ制約を課しており,放送パケットの伝送ジッタ抑制が重要である.本稿では,宅内ネットワーク向けのスイッチでの利用を想定し,優先パケットを原理上ゼロジッタで転送できるパケットスケジューリング手法を提案・検証する.リアルタイムOSを用いた実装により,従来の完全優先キューイング手法と比較して1/4以下にジッタを改善し,ジッタに起因する再生映像の乱れを少なくできることを実証した.