著者
髙世 秀仁 北川 美歩 堀江 亜紀子 西連寺 隆之 立花 エミ子 谷 忠伸 上村 貴代美 桑名 斉
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.915-919, 2015 (Released:2015-08-12)
参考文献数
7

【緒言】がん経験者,家族,遺族に対する心理社会的サポートの提供は重要だが,未だ不十分である.サポートグループ「がんカフェ」は,がん経験者,家族,遺族,誰でも参加でき,心理社会的サポートを提供し,緩和ケア病棟スタッフが支援している.【症例】53歳男性,2001年に肺がんで手術を行い,2006年治療中に再発した.治療中の2012年に家族で「がんカフェ」に参加した.本人は患者として,妻と子供は家族として,当事者,緩和ケア病棟スタッフと交流ができた.6カ月後本人が緩和ケア病棟に入院した時,顔見知りのスタッフがいて本人と家族は安心していた.退院後,妻は遺族として「がんカフェ」に参加され,同じスタッフがグリーフケアを行った.【考察】「がんカフェ」に緩和ケア病棟スタッフが参加することで,入院前の早期から退院後のグリーフケアまで,心理社会的サポートを中心とした緩和ケアを継続的に提供することができた.