著者
松山 雄吉 上野 晴久
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-4, 1957

1954年7月より翌年6月まで和歌山県有田郡広川町で行つた野鼡の外部寄生虫調査の際に獲れたアカネズミ, ハツカネズミ, ヒミズモグラの3種の寄主について, それらの外部寄生虫相を同一地区で同時に獲れたものについて比較検討してみた.1.アカネズミとヒミズモグラの外部寄生虫相の比較ヒミズモグラは殆んどカンサイツツガムシの独占社会であつた.アカネズミにおいてはツツガムシ科は種類数, 個体数とも非常に豊富であつて, 2属9種に及び, 又その他の科もトゲダニ科, マダニ科, ケモノジラミ科, GlycyphagidaeのHypopus等が少数ずつ採集された.2.アカネズミとハツカネズミの外部寄生虫相の比較ハツカネズミではツツガムシ科以外はGlycyphagidaeのHypopusしか採集されず, ツツガムシ科もアカネズミに比して種類数, 個体数とも少ない.アカネズミはツツガムシ科以外にトゲダニ科, マダニ科, ケモノジラミ科, GlycyphagidaeのHypopusが採集された.