著者
田中 洋平 上野 高明 田中 清和
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.56-59, 2017-01-01 (Released:2018-01-15)
参考文献数
9

上肢切断者に対する能動義手や筋電義手は,処方後しばらくすると,使用中止や使用頻度の低下に至ることがある.我々は上肢切断者の能動義手,筋電義手について処方後の使用状況を調査した.対象は,2009年から2015年までに当院で能動義手,筋電義手を作製し,追跡可能であった成人片側上肢切断者21例を対象とした.上腕筋電義手,上腕能動義手,前腕能動義手において,義手の使用中止や使用頻度の低下があり,その主な理由は義手の重さ,頚部·肩周囲の疼痛,装着の面倒さであった.得られた課題を基に,今後も我々はより良い義手を提供できるよう,義手の改良や製作の工夫を行っていく必要がある.