著者
伊藤 まゆ 三樹 美夏 林 浩孝 新井 隆成 鈴木 信孝 上馬塲 和夫
出版者
日本補完代替医療学会 = The Japanese Society for Complementary and Alternative Medicine
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.111-118, 2009
被引用文献数
2 1

コラーゲン含有飲料の 1ヶ月間摂取による顔面皮膚の変化を,計測機器による指標を使って予備的に検討した.61 名の健常女性(年齢 25–68,34±8 歳)を対象とし,文書による同意を得た後,コラーゲン 5 g 飲料/日摂取群(30 名)と 10 g 飲料/日摂取群(31 名)に無作為に割り付けし,摂取前と後 1 週目と 1ヶ月目の顔面(両頬部)皮膚水分と下眼瞼の皺数を測定した.皮膚水分と皺数に関して,改善した反応例と変化がない無反応例に分類したところ, 10 g 摂取群では 5 g 摂取群より高い 5 割の反応率が得られた.反応例は無反応例より摂取前において皺数が多く皮膚水分が低いこと,皺数は 1 週間目から有意な改善をみることが示された.また本飲料が安全であることも示された.今後,皮膚の異常性状例を対象にして,コラーゲン 10 g/日を,1 週間あるいは 1 ヶ月月間投与する二重盲検試験により有効性を評価する研究の必要性が示された.<br>
著者
上馬塲 和夫 仲井 培雄 許 鳳浩 王 紅平 大野 智 林 浩孝 新井 隆成 鈴木 信孝
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.119-126, 2007 (Released:2007-10-19)
参考文献数
14
被引用文献数
1

西洋ではすでに広く家庭で活用され安全性と有効性がわかっている,特に不眠に用いられるバレリアンやレモンバームなどを含むハーブティーの睡眠への効果と安全性の検証を試みた.不眠で悩む病院職員志願者女性 14 名(年齢 21–62 歳:35±11 歳,BMI 21±3 kg/m2)を対象として,文書による同意を取得し,オープン試験によって 1 週間の対照観察期間の後 1 週間,ハーブティーを夕方 2 回摂取させた.睡眠の質の変化を,OSA 睡眠調査表とVAS (Visual Analogue Scale) で評価した結果,摂取開始の翌日の夜において,対照期間より入眠と睡眠維持について睡眠の質が向上する傾向を認めた.また睡眠の質の悪い群で効果が高く,眠気や胃腸症状を認める例も 19%程度は認めたが継続しても全例自然消失したことから,安全性には問題がないと思われた.