著者
加藤 直人 池辺 将之 本久 順一 下山 荘介
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2012-CVIM-182, no.18, pp.1-6, 2012-05-16

本稿では局所ヒストグラム平坦化を基にしたダイナミックレンジ圧縮技術の自動制御手法を提案する.局所ヒストグラム平坦化ではフィルタカーネル毎のヒストグラムを用いて補正関数を生成する.フィルタカーネル内の輝度値に偏りが大きい場合,補正関数の勾配が急になり不自然なコントラスト強調を招く.我々は今までに,補正関数の変動域に対して上限値と下限値を設定し,変動域を制限する手法を提案してきた.本研究は,画像の情報を利用して上限値と下限値を自動的に決定することを目的とする.特に今回の報告では,夜景画像を対象とし,その補正において影響が大きい上限値を決定した.夜景画像の補正指針として,主に,暗い領域を良好に認識できるように補正すること,光源等の比較的明るい領域を適切な明るさに補正することを考慮した.指針を基に上限値を手動で決定したところ,画像のヒストグラムとエッジ量が上限値の決定に寄与しているという知見を得た.提案手法では,この知見に基づいて上限値の自動化を行なった.主観評価を行ったところ,提案手法は既存手法に比べ,画像補正が適切であるいう結果が得られた.