著者
宮崎 美穂 橋爪 真理 中井 明美 北浦 多榮子
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.17-25, 2006-02

綿、羊毛、アクリル、ポリエステル繊維からなる4種類の布に付着させた4種類の汚れについて、家庭一般で使用されている市販洗剤を用いて洗浄実験を行い、得られた洗浄効率、汚れの脱離性を比較した結果、下記の所見を得た。1)水溶性のコーヒー汚れとしょうゆ汚れは、4種類全ての繊維において、市販洗剤での洗浄効率、汚れの脱離性は高く、除去しやすいことがわかった。2)牛乳汚れは、牛乳に含まれる水溶性タンパク質が変性すると除去困難となるため、付着した場合は出来るだけ早く洗うことが望ましいと考えられた。3)リキッドファンデーション汚れは、湿式洗濯では水により汚れが広がり、市販洗剤を使用した除去効果は低かった。4)市販洗剤を使用して洗浄した場合、経時変化による汚染除去効果を検討すると、コーヒー汚れとしょうゆ汚れは時間が経過しても、比較的除去が容易であった。リキッドファンデーション汚れの場合、綿と羊毛での差異はみられたが、除去が困難となった。