- 著者
 
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             中前 貴
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 日本不安症学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 不安症研究 (ISSN:21887578)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.9, no.1, pp.50-56, 2017-10-31 (Released:2017-11-14)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 16
 
          
          
          - 被引用文献数
 
          - 
             
             
             1
             
             
          
        
 
        
        
        薬物療法や行動療法に反応しない強迫症(OCD)患者に対して様々な治療戦略が提案されているが,近年ニューロモデュレーションに注目が集まっている。OCDに対する研究が進んでいる治療法には,外科手術を伴い侵襲性の高い脳深部刺激療法(DBS)や,けいれんを伴う電気けいれん療法(ECT),侵襲性の低い経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)や反復性経頭蓋磁気刺激法(rTMS)などがあり,本稿では,各治療法の有効性や有害事象について概説する。DBSは侵襲性が高い一方で重症難治例の半数程度に有効であり,ECTは無作為割付比較試験がないが6割程度の患者に何らかの良い効果を期待できる。tDCSは侵襲性が低いがまだ十分な研究が行われておらず,rTMSはメタアナリシスで有効性が示されているがまだ最適な刺激設定が明らかになっていないなど,それぞれの治療法にメリット,デメリットがあるため,今後のさらなる研究が期待される。