著者
中原 大輔 宮崎 美伯
出版者
群馬県畜産試験場
雑誌
群馬県畜産試験場研究報告 = Bulletin of the Gunma Prefectural Livestock Experiment Station (ISSN:13409514)
巻号頁・発行日
no.21, pp.91-106, 2014-12

離乳牛舎周辺においてタヌキ等の野生動物による配合飼料の盗食被害が発生したことから、センサーカメラを用いて夜間の出没状況を調査し、その結果に基づいて防除対策を実施した。1 離乳牛舎周辺に設置したセンサーカメラ画像を解析した結果、哺乳舎を中心にタヌキとキツネが出没し、飼槽の配合飼料を盗食していることが確認された。2 離乳牛舎への侵入防止対策として、牛舎周辺に10cmマスのワイヤーメッシュを設置したところ、マス目からの侵入が確認されたため、針金で5cmマスに狭める改良を施した結果、侵入が防止された。3 箱わなによる学術捕獲に伴い、設置後の箱わな内へのタヌキの進入状況を調査したところ、設置後10日間程度は警戒心が強く、全身の進入が確認されなかったことから、対象動物が箱わなに慣れるため、設置後2週間程度は箱わなを開放状態にして餌付けを行うことが重要である。4 箱わなによるタヌキの捕獲後、タヌキとキツネの出没が減少した一方で、ネズミの出没が増加したことから、ネズミ対策を実施した。