著者
森 あゆみ
出版者
群馬県畜産試験場
雑誌
群馬県畜産試験場研究報告 = Bulletin of the Gunma Prefectural Livestock Experiment Station (ISSN:13409514)
巻号頁・発行日
no.21, pp.31-36, 2014-12

夏季の暑熱対策として、豚舎南外壁を各種遮熱資材(寒冷紗、よしず+すだれ、朝顔、遮光栽培ネット、石灰乳)を用いて被覆することによる、豚舎外壁面の温度上昇抑制効果を比較したところ、以下の結果を得た。1 調査期間中の豚舎外壁の表面温度と外気温との差は、対照区と比較して全ての試験区で有意に小さく、温度上昇が抑制されていた。また、遮光栽培ネット+朝顔区(以下遮光ネット区)の外壁表面温度と外気温との差は朝顔区と比較して有意に小さかった。2 各試験区と対照区との豚舎内壁表面温度の差は、遮光ネット区及び石灰乳区で朝顔区と比較して有意に大きかった。朝顔区で効果が低かった一因として、遮光ネット区と比較して朝顔の生育が遅れていたことが考えられた。3 供試した各種資材の1m2当たり単価は、石灰乳区がもっとも安く、寒冷紗区がもっとも高かった。単価の安い順は(1)石灰乳区、(2)朝顔区、(3)遮光ネット区、(4)よしず+すだれ区、(5)寒冷紗区であった。以上のことから、本試験で供試した各種資材については、いずれも一定の遮熱効果が認められた。供試資材のうちもっとも高い効果が認められたのは、遮光ネットと朝顔を用いる方法であった。また、石灰乳は対費用効果が高く、外壁がある豚舎においては有効な方法であると考えられた。
著者
中原 大輔 宮崎 美伯
出版者
群馬県畜産試験場
雑誌
群馬県畜産試験場研究報告 = Bulletin of the Gunma Prefectural Livestock Experiment Station (ISSN:13409514)
巻号頁・発行日
no.21, pp.91-106, 2014-12

離乳牛舎周辺においてタヌキ等の野生動物による配合飼料の盗食被害が発生したことから、センサーカメラを用いて夜間の出没状況を調査し、その結果に基づいて防除対策を実施した。1 離乳牛舎周辺に設置したセンサーカメラ画像を解析した結果、哺乳舎を中心にタヌキとキツネが出没し、飼槽の配合飼料を盗食していることが確認された。2 離乳牛舎への侵入防止対策として、牛舎周辺に10cmマスのワイヤーメッシュを設置したところ、マス目からの侵入が確認されたため、針金で5cmマスに狭める改良を施した結果、侵入が防止された。3 箱わなによる学術捕獲に伴い、設置後の箱わな内へのタヌキの進入状況を調査したところ、設置後10日間程度は警戒心が強く、全身の進入が確認されなかったことから、対象動物が箱わなに慣れるため、設置後2週間程度は箱わなを開放状態にして餌付けを行うことが重要である。4 箱わなによるタヌキの捕獲後、タヌキとキツネの出没が減少した一方で、ネズミの出没が増加したことから、ネズミ対策を実施した。