著者
中台 慎二 登内 敏夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.288, pp.1-6, 2008-11-06
被引用文献数
2

大規模システムでは装置故障や設定ミス等に伴う障害が日常的に発生するため、障害を迅速に検出・分類し、保守運用者に復旧作業を提示する障害検出システムが必要である。しかしながら、携帯電話網におけるスリーピングセル障害のように、発生した障害を検出できずに復旧作業が遅れる障害がある。ルールベースの障害検出は、どの監視項目に対してどの程度の閾値を設定するかを人が判断する必要があり、十分な精度で障害を検出するには、ルール修正・検証に作業工数が必要となる。本研究では、サポートベクターマシンを用いて過去の障害事例からこの閾値を生成する。特に、従来ある方式とは異なるアプローチで特徴空間を設計し検出精度の向上を図った。さらに、保守運用者の検出感度に対する運用ポリシーに応じて異なる閾値の生成を可能とする。これらは、携帯電話網にて実際に発生した障害データを用いて検証し、4つの障害パターンのいずれについても本来検出すべき障害の7割以上を検出した。