著者
長坂 侑里 中堀 祐香 阿部 隼人 中川 智史 山口 諭 馬場 俊見 川上 純平 山崎 武志 萩谷 功一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.5-13, 2022-02-25 (Released:2022-03-25)
参考文献数
21

本研究はタイストール(TS,126,492頭),フリーストール(FS,88,851頭)および放牧主体(GZ,3,989頭)において,ホルスタイン雌牛の体型形質と在群期間(HL)の関係を調査した.データは1993から2008年の間に初産分娩した雌牛の体型審査記録から初産次の体型6形質(肢蹄得率,胸の幅,鋭角性,乳房の懸垂,乳房の深さ,前乳頭の配置)であった.各飼養形態において,体型形質におけるHLの最小二乗平均値(LSMHL)を比較した.FSとTSの肢蹄得率が高いほどLSMHLは高かったが,GZの肢蹄得率が79以下のとき,LSMHLは一定の値を示した.すべての飼養形態において,乳房が浅いときおよび乳頭が中央に位置するとき,LSMHLは高かった.FSおよびTSにおけるLSMHLは,多くの形質で近似したが,GZにおいて低い肢蹄得率でHLに大きな影響を与えない点が他と異なった.
著者
中堀 祐香 高野 直樹 大江 史晃 齊藤 朋子 萩谷 功一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.4, pp.409-414, 2018-11-25 (Released:2018-12-13)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

本研究は,ばんえい競走馬における能力検定後馬体重(馬体重)を適切に説明する数学モデルの選択および遺伝率を推定することを目的とした.データは,2007年から2016年までに能力検定に合格した重種馬1,849頭の品種,性別,生産地市町村および馬体重の記録,および27,214個体を含む血縁個体である.測定時月齢は,能力検定合格回次の検定実施月と誕生月の記録から推定した.遺伝分析に用いる数学モデルを決定するため,測定年,性別,測定時月齢および生産地市町村を組み合わせた複数の母数効果モデルを仮定した.赤池の情報量規準,ベイズの情報量規準および決定係数より,遺伝分析には,測定年,性別および月齢を母数効果として含むアニマルモデルを採用した.馬体重の遺伝率推定値は,中程度(0.47)であったことから,遺伝的改良が可能な形質である.