著者
岩見 億丈 中屋 諒大 笹井 康則
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第26回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.381, 2015 (Released:2015-10-20)

宮古市焼却炉周囲9kmの範囲で326ヶ所の土壌調査を行ったところ、焼却炉からの離距離1.7km未満の地点では、土壌中Cs134およびCs137濃度が、離距離1.7km以上の地点に比べ1.7倍および2.4倍高値であり(P値<10-10)、焼却炉で放射性セシウムを高濃度に含む牧草や廃棄物を処分したことが原因と考えられる。今回の観測値は、焼却炉での物質収支による放射性セシウム推定漏出量とほぼ整合していた。一般焼却炉のバグフィルターのみで排ガス中放射性セシウムを99.9%除去できるという仮説は支持できず、バグフィルターの除去能力の見直しが必要である。現行の放射性セシウムの排ガス濃度規制では、一般焼却炉からの放射性セシウム漏出を十分防止できていないと考えられる。