著者
小藤 祐子 野村 香 中山 周子 山﨑 松美
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.2_63-2_69, 2012-06-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
11

本研究の目的は,男性看護師が女性患者に看護ケアをする体験を明らかにすることである。現象学的アプローチを用いて男性看護師11名にフォーカス・グループ・インタビュー,そのうち8名に非構造化面接を実施した。その結果,《看護師としての成長に,どうしようもない性差が立ちはだかる》《患者に気をつかわせないように配慮することが最優先であると悟る》《仕方がないと割り切る》《困難だからこそ身についた技術に対するちょっとした誇り》《女性看護師がいると思うことでわだかまりがとける》《医療処置は看護師として介入できるため,こころが軽くなる》の6つのテーマが導かれた。男性看護師にとって看護ケアを行うことは,「看護師としてケアをしたい」という思いと「患者のことを思うがゆえにケアに入れない」という相反する感情が入り交じった体験であった。