著者
中山 富佐雄 榎戸 裕二 吉田 英一 松本 寿之 長谷部 慎一
出版者
JAEA
雑誌
JNC-TN9420 2005-001
巻号頁・発行日
pp.1-115, 2005-03

ナトリウム冷却型高速炉(FBR)プラントの廃止措置などにおいては、放射院ナトリウムが付着・残留する原子炉容器、中間熱交換器及びコールドトラップ等の大型機器類が発生することになる。また、原子炉から抜き取った数百トン以上の放射性ナトリウムについては、貯蔵あるいは処理・廃棄するために安定した物質に転換(不動態化処理)し、取り扱い時における危険性を排除する必要がある。このため、化学的に活性な大量放射性ナトリウム及び大型機器類残留ナトリウムを安全に、かつ経済的に洗浄・処理処分する技術開発が今後必須となる。本報告書は、先行して進められている海外の高速炉、原子力施設等で実施あるいは計画されている放射性ナトリウムの処理技術等に関して調査を行ったものである。調査は、一次及び二次冷却材にナトリウムを使用し、現在廃止措置を進めている海外高速炉を対象に、ナトリウム中に含まれる放射性核種、大量ナトリウムの転換技術や再利用技術、付着・残留ナトリウムの洗浄処理技術、及びこれらの処理廃液を含む処分技術などについて実施した。これらの調査結果は、今後の放射性ナトリウムの洗浄・処理処分技術開発を進める上で有効な知見として活用できるものと考えられる。 著者所属: 日本原子力研究開発機構(JAEA)