著者
関 昭雄 大西 俊彦 叶野 豊 岩月 恒信
出版者
JAEA
雑誌
PNC-TN8420 88-008
巻号頁・発行日
pp.1-31, 1988-07

放射性物質等によって汚染された場所で作業を実施する場合,汚染物の再浮遊による空気汚染が放射線管理上問題となる。このため,再浮遊係数を予測あるいは測定,評価することは,放射線管理上極めて重要である。 本報告書は,今後の放射線管理における空気汚染の事前評価を目的として,動力炉・核燃料開発事業団東海事業所再処理工場,日本原子力研究所東海,大洗研究所等の各種放射線作業で測定されたデータを基に求めた再浮遊係数についての調査結果をまとめたものである。 その結果,再浮遊係数の平均的な範囲として,機器の除染,補修作業時は10-5sim10-7cm 1であり,また,プルトニウム等を取扱う作業は,10-6sim10-7cm 1であった。 今回の調査は,必ずしも同一条件下ではないが,その値はおよそ10-5sim10-7cm 1の範囲であることがわかった。 また,付録の"種々の表面からのプルトニウムの再浮遊係数を決定するためのいくつかの実験"のレポートは,放射線管理上有用かつ詳細なデータが報告されており,参考となる点が多々あり,併せて課員の資質向上を図ることを目的に全訳し添付している。 著者所属: 日本原子力研究開発機構(JAEA)
著者
中山 富佐雄 榎戸 裕二 吉田 英一 松本 寿之 長谷部 慎一
出版者
JAEA
雑誌
JNC-TN9420 2005-001
巻号頁・発行日
pp.1-115, 2005-03

ナトリウム冷却型高速炉(FBR)プラントの廃止措置などにおいては、放射院ナトリウムが付着・残留する原子炉容器、中間熱交換器及びコールドトラップ等の大型機器類が発生することになる。また、原子炉から抜き取った数百トン以上の放射性ナトリウムについては、貯蔵あるいは処理・廃棄するために安定した物質に転換(不動態化処理)し、取り扱い時における危険性を排除する必要がある。このため、化学的に活性な大量放射性ナトリウム及び大型機器類残留ナトリウムを安全に、かつ経済的に洗浄・処理処分する技術開発が今後必須となる。本報告書は、先行して進められている海外の高速炉、原子力施設等で実施あるいは計画されている放射性ナトリウムの処理技術等に関して調査を行ったものである。調査は、一次及び二次冷却材にナトリウムを使用し、現在廃止措置を進めている海外高速炉を対象に、ナトリウム中に含まれる放射性核種、大量ナトリウムの転換技術や再利用技術、付着・残留ナトリウムの洗浄処理技術、及びこれらの処理廃液を含む処分技術などについて実施した。これらの調査結果は、今後の放射性ナトリウムの洗浄・処理処分技術開発を進める上で有効な知見として活用できるものと考えられる。 著者所属: 日本原子力研究開発機構(JAEA)
著者
曽根 智之 野中 一晴 佐々木 紀樹 山口 大美
出版者
JAEA
雑誌
JAEA-Technology 2007-063
巻号頁・発行日
pp.1-42, 2008-01

二次廃棄物が多量に発生する等の理由により焼却処理が適さない有機系廃棄物(リン酸トリブチル廃溶媒,フッ素油を含む廃油等)の処理技術として、水蒸気改質処理法の開発を実施している。本試験では、模擬廃溶媒(TBP/n-ドデカン混合物)及び模擬廃油(フッ素油/鉱物油混合物)に対する実証規模水蒸気改質処理試験装置の処理性能の確認及び運転条件の最適化等を行った。試験の結果、次の成果が得られた。(1)水蒸気改質処理による模擬廃溶媒及び模擬廃油のガス化率は98wt%以上であった。また、二次廃棄物として回収された残渣は十分に無機化されていた。(2)模擬廃油の処理において、放射性物質除去用フィルタの閉塞が確認されたが、水蒸気供給量を1.5kg/hから3.0kg/hに増加させることで閉塞の原因となっている無機炭素が生成しにくくなり、フィルタの閉塞を抑制できることが明らかになった。(3)模擬廃溶媒の処理において、ガス化プロセスにおける加熱温度を600sim650circCに設定することでTBPの分解で生成したリン酸の大部分が蒸発した。この条件で廃溶媒を処理することにより放射性二次廃棄物になる残渣の発生量低減の可能性が示された。 著者所属: 日本原子力研究開発機構(JAEA)
著者
伊東 康久 野田 喜美雄 石川 久 井崎 賢二 江花 稔
出版者
JAEA
雑誌
JNC-TN8410 2001-007
巻号頁・発行日
pp.1-81, 2001-03

核燃料物質取扱施設では非密封の放射性物質を取扱う場合、グローブボックス(以下「GB」という)等の包蔵性を有した設備を配置している。放射性安全の立場からは包蔵性の一時的な機能低下等を考慮し、放射性物質漏洩の早期発見及び作業者の吸入を防止する目的で種々の施策を講じている。その中の一つに作業環境中の空気中放射性物質濃度を連続監視するためのダストモニタがあげられる。一般的にダストモニタは吸引ポンプを使用して空気を吸引し空気中に浮遊するダストをろ紙に捕集する方式であり、吸引ポンプの連続運転能力、可搬性及び排気場所の確保並びに騒音等に構造的問題を持っていた。このため、ダストの捕集方法に関し、従来技術である吸引ポンプを使用しない技術開発を進めることとした。上記目的を遂行するために、静電気により空気中のダストをイオン化し、ろ紙に捕集する市販の集塵器に着目し、静電捕集型のダストサンプラ及びダストモニタを試作し、特性試験及び操作性について評価した。静電捕集方式は空気吸引方式と違い吸引量の定量化が課題であり、捕集量を定量化するためにマスクマンテストで使用している装置を用い、塩化ナトリウム(以下「NaCl」という)による捕集量の定量化と捕集分布の解析評価を実施した。また、既存の空気吸引方式であるエアスニファとラドントロン子孫核種を対象に捕集量の比較を実施した結果、ほぼ同等の捕集性能を有していることが分った。一方、静電捕集方式の機能を明確にすることと、実際に使用する管理区域内を想定して操作性等の評価を実施した結果、十分実用に耐えうることも分った。今回の試験で使用したダスト捕集用ろ紙は市販されている集塵機の付属品を用いたが、放射性ダストの捕集には適していなかった。今後、集塵ろ紙の材質適正化を行うとともに、装置の小型化と捕集効率向上を検討し、また、試作機の構造は汚染防護対策が十分ではないので、これらを考慮した再設計を行う必要がある。 著者所属: 日本原子力研究開発機構(JAEA)
著者
安田 秀志 滝塚 貴和
出版者
JAEA
雑誌
JAERI-Review 96-015
巻号頁・発行日
pp.1-37, 1996-11

本報告書は米国及び旧ソ連における原子力ロケットの最近の開発状況を調査してまとめたものである。調査は概ね、米国で十数年来開催されている宇宙原子力シンポジウムの論文集に拠っている。原子力ロケット開発の歴史は1955年~1973年までの精力的なNERVA/Rover計画を中心とする第一期と、その後1983~1994年までのSP-100計画を中心とする第二期に大別される。第二期には有人火星探査用の大型原子力ロケットが検討された。従って本書では、第一期の成果を踏まえながら、第二期に実施された技術開発に支えられた概念設計もしくは概念検討の結果を記述した。また、旧ソ連に関しては、すでに6kWの宇宙用電源として開発し、飛行試験を行っているTOPAZ-2を中心として紹介した。 著者所属: 日本原子力研究開発機構(JAEA)
著者
鴨志田 強 相馬 丞 山中 克之 阿部 顕 樫村 弘道
出版者
JAEA
雑誌
JNC-TN8410 2004-017
巻号頁・発行日
pp.1-100, 2004-10

放射線管理第一課では、半面マスク着用者に対して装着試験(マスクマンテストと呼ぶ)を定常的に実施している。本報告書は、1970年から2003年まで東海事業所で実施してきた防護マスクの装着試験に関わる試験装置の開発経緯、各種防護具の性能試験、半面マスク装着試験の実績及び現状の問題点等についてまとめたものである。 著者所属: 日本原子力研究開発機構(JAEA)
著者
波戸 真治 本間 俊充
出版者
JAEA
雑誌
JAERI-Data/Code 2005-006
巻号頁・発行日
pp.1-549, 2005-09

日本原子力研究所が開発した確率論的事故影響評価(レベル3PSA)コードOSCAARでは、国際放射線防護委員会(ICRP)の刊行物Publication 30に基づく内部被曝線量換算係数を使用して公衆の被曝線量を評価してきた。ICRPはPublication 56で幾つかの放射性同位体に関して年齢依存の体内動態モデルを示し、それ以降、新しい呼吸気道モデル,その他の放射性同位体に関する年齢依存の体内動態モデル及び尿と糞への排泄モデルを示してきた。ICRPはたくさんの放射性核種に対する年齢依存の内部被曝線量係数をICRP刊行物に示してきたが、吸入及び経口摂取に関する預託実効線量係数だけをそれら刊行物に与えていた。OSCAARは公衆の早期の健康影響及び晩発性の健康影響を評価しているので、さまざまな積分時間に対する組織や器官の内部被曝線量係数が必要となる。本報告書は、これら新しいICRPモデルに基づき、OSCAARで使用するために開発したコードDSYSについて述べるとともに、OSCAARの計算で使用する54核種の内部被曝線量係数を与える。 著者所属: 日本原子力研究開発機構(JAEA)