- 著者
-
中山 慎吾
下満 ゆかり
- 出版者
- 一般社団法人日本社会福祉学会
- 雑誌
- 社会福祉学 (ISSN:09110232)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.2, pp.68-79, 2009-08-31
十分で適切なスタッフ教育は,訪問介護の質を高めるために重要な方法のひとつである.訪問介護事業所のサービス提供責任者は事業所内のホームヘルパーを教育する役割を果たすことが多いが,サービス提供責任者自身も学習ニーズをもっている.本研究では,サービス提供責任者の研修内容として重要なものはなにかを,3段階のデルファイ法を用いて検討することを目的とした.第1段階で自由記述の内容分析を行い,第2・第3段階では重要度を数量的に評価してもらうという方法をとった.その結果,41項目の研修項目が見いだされ,そのなかで特に重要度評価が高い上位16項目が特定された.上位16項目には"訪問介護計画の作成"などのサービス調整業務に関する項目とともに,"ヘルパー同士のコミュニケーション・関係形成"を含むヘルパー管理業務に関する項目が含まれていた.事故予防や事故対応,監査や情報開示への対応に関する項目の重要度も高く評価された.