- 著者
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藤川 日出行
井岡 達也
高安 徹雄
関口 弘道
中山 敏夫
島田 和幸
夏目 隆史
金井 信行
斎藤 建
- 出版者
- 公益財団法人 日本心臓財団
- 雑誌
- 心臓 (ISSN:05864488)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.2, pp.163-167, 1995-02-15 (Released:2013-05-24)
- 参考文献数
- 10
慢性期に外傷を契機として心房リードの穿孔を起こした永久ペースメーカー植え込み例を経験したので報告する.症例は70歳女性で,63歳蒔に完全房室ブロックを指摘され,68歳時にtorsades de pointes(TdP)によるAdams-Stokes発作を起こすようになり当科入院した.完全房室ブロック,徐脈によるQT延長のためDDDペースメーカーを植え込んだ.70歳時にパーキンソン症候群による歩行障害にて転倒し,左肩を強打した後より全身浮腫と呼吸困難が出現し近医入院した.心不全にTdPと肺炎を合併し当科転院となったが,心房のペーシング不全,センシング不全が認められた.呼吸不全加療中にTdP,VF出現し死亡した.剖検にて心房リードの右心房壁穿孔を認めた.経過より外傷を契機としたリードの心房壁穿孔と考えられ,病理所見等報告する.