著者
中川 和明 中山 準之助
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.72, no.8, pp.36-70, 2022-08-01 (Released:2022-09-20)

沖縄の本土復帰50年に合わせてNHK放送文化研究所は、米軍基地や日米安全保障体制、沖縄の経済などについて人々がどのように考えているか把握するため、沖縄県と全国を対象に世論調査を実施した。復帰に対する評価や沖縄と米軍基地の関係などのテーマごとに結果を報告する。「沖縄の本土復帰の評価」▼本土復帰を『よかった』と評価している人は沖縄では8割超、全国で9割超。▼国の振興策について沖縄では『役に立った』が約8割を占めるも、国の施策全般については沖縄の意向を『踏まえていない』が6割に上る。「沖縄と米軍基地」▼復帰後も残る米軍基地について沖縄では「やむを得ない」(51%)「必要だ」(11%)と「肯定的」に思っている人が5割を占めるが、在日米軍専用施設の約7割が沖縄に集中していることについては8割超が『おかしいと思う』と答えた。「基地と沖縄の経済」▼沖縄の経済は米軍基地がなくても成り立つと思っている人が沖縄では5割以上を占め、7割以上が基地は自分の暮らしや仕事に『役立っていない』と答えた。「沖縄戦の継承」▼沖縄戦の歴史について、『知りたいと思う』人は沖縄で約9割、全国でも約8割。『継承されていない』と思う人は沖縄で5割超、全国では7割超。「沖縄の現状と今後」▼沖縄の現状については『満足している』(51%)と『満足していない』(48%)が5割で拮抗。▼これからの沖縄の課題では「貧困や格差の解消」が8割近くを占めた。
著者
中山 準之助
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.26-61, 2023-05-01 (Released:2023-05-19)

令和の中学生と高校生の生活実態、意識や価値観を捉えるため、2022年夏、NHK放送文化研究所は、全国の中高生などとその親を対象にした世論調査、第6回「中学生・高校生の生活と意識調査」を実施した。前回10年前の調査のあと、SNSの浸透、新型コロナウイルス感染症など、中高生を取り巻く環境は大きく変化してきた。2回にわたり掲載する調査報告の初回となる本稿では、「コロナ禍のストレスと、ネット社会を生きる中高生の人間関係など」について報告する。 「コロナ禍の悩みやストレス」 ▶コロナ禍のストレスは「自由に遊べない」「外出できない」など。女子が男子を上回る。 ▶今の悩みは「成績、受験」が中高ともに6割。女子で「外見」が3割と、男子より多い。 「中高生のネットの利用」 ▶中高ともに「SNS利用」9割超。 ▶投稿することがある人のうち、投稿の反応が少なくても『不安にはならない』が7割超。「不特定多数の人」に向けて投稿するは4人に1人。SNSへの抵抗感は薄く、ネットリテラシーは向上も。 「SNSでの人間関係の変化」 ▶「SNSだけのつきあいで、会ったことがない友だち」がいる人は高校生で4割。 ▶「深刻な悩みごとを相談できる友だち」が「いない」は中高とも2割ほど。 「不安や将来への期待」 ▶「自分の将来」に「自分の将来」に『期待あり』は中高ともに6割超。一方で、『不安あり』は中学生で7割台、高校生で8割台。 ▶「18歳から大人」として扱われることに高校生では「早い」が5割超で多い。