著者
中山 育四郞 Nakayama Ikusiro
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉醫學會雜誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.285-305, 1943-03-28

昭和12年5月3日より6月18日に亘る47日間に敎室附近某病院に爆發的細菌性赤痢の小流行を見たるが,此の際石川内科に入院したるものは16例(内保菌者1例)なり。其の發生經路は保菌者乃至は發生の最初の赤痢患者が爆發的流行の傳染源となりしものならんと推定せり。是等患者の臨床的諸事項に關しては前編記述のものに包括せられ,尚16例中11例に赤痢菌特に中村菌を檢出し,又患者血淸凝集反應を行ひたる例にては同菌に對し陽性に反應し,類屬凝集反應は主反應の1/8-1/2の稀釋度に之を證せり。新字体抄録:昭和12年5月3日より6月18日に亘る47日間に教室付近某病院に爆発的細菌性赤痢の小流行を見たるが,此の際石川内科に入院したるものは16例(内保菌者1例)なり。其の発生経路は保菌者乃至は発生の最初の赤痢患者が爆発的流行の伝染源となりしものならんと推定せり。是等患者の臨床的諸事項に関しては前編記述のものに包括せられ,尚16例中11例に赤痢菌特に中村菌を検出し,又患者血清凝集反応を行ひたる例にては同菌に対し陽性に反応し,類属凝集反応は主反応の1/8-1/2の希釈度に之を証せり。