著者
平井 幸彦 堤 善充 谷川 佳代子 因幡 美津子 中島 康弘 高松 純
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, 2003-04-01

〔はじめに〕近年SPDが普及し,当院でもバーコードラベルによる運用を導入しているが,ラベルの貼付可能な材料では,ラベルの紛失や,資材部への請求から補充するまでのタイムラグが生じている.また,登録材料の半数以上が手術室内の使用であり,ラベルの貼付が不可能なインプラント等は,使用後の報告および伝票にて把握している.しかし記載ミスによる材料確定までの時間的ロス,保険請求へのミスが発生している.今回,手術室内へのコンピュータ導入に際し,看護師へ入力業務に対して抵抗なく行えることを目的に,記載ミス等の軽減,患者個別での迅速なる情報伝達ならびに手術室内の在庫管理,手術運営管理が行えるようシステムを構築したので紹介する.〔目的〕(1)入力業務の軽減(入力の容易さ).(2)患者の情報の把握(手術台帳).(3)手術室内材料の把握および情報伝達(在庫管理).(4)医事課への情報伝達(保険請求).〔概要〕手術患者選択後,使用材料の入力方法として,ラベルの貼付が可能な材料は,バーコードを使用し,不可能な材料については,タッチパネルを使用して材料の検索・確定,入力を行う.バーコードの読み込みは,随時できる状態とし,画面の切替えなしで行えるよう作成した.また,使用材料のデータは院内LANを通じて資材部へ情報伝達し,過剰請求を防止するとともに,現場の,伝票記載や請求業務の軽減に貢献できるものと思われる.