著者
古賀 亮太 井手 勉 中島 征志郎 永尾 嘉孝 石井 研至
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.75, pp.1-11, 1992-06-10 (Released:2009-07-31)
参考文献数
4

茶園における有機物資材の長期連用が,土壌の理化学性ならびに茶の収量,品質に及ぼす影響を検討した。(1) 有機物の施用によって14年間に,全炭素含量が1.5~3倍,全窒素含量が1.3~2倍,陽イオン交換容量が1.2~1.6倍に増加した。しかし,土壌pHならびに有効態リン酸には有機物施用の効果は明らかでなかった。(2) 有機物資材の中では,稲ワラは速効的で早期に効果を発現し,収量,品質が向上した。(3) 野草(ススキ)は分解が遅いために非常に遅効的で,投入後10年以上を経て稲ワラと同等の効果を現し,その後は効果が増大する傾向が見られた。(4) 牛糞厩肥は速効的であり,土壌理化学性の改善,茶品質の向上には最も効果が高かった。しかし,本試験では収量の増加は少なかった。(5) 肥料の種類では,有機配合肥料の方が収量,品質ともにやや優れた。