著者
中島 悠輔 坂内 祐一
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2020-GN-109, no.29, pp.1-6, 2020-01-16

似顔絵は人物の外見・特徴をとらえて,デフォルメして描いた人物画である.現在,顔画像を似顔絵に変換する研究では,非教師学習を用いた変換手法や,それぞれパーツ毎に変換を行う手法の研究が行われている.しかし,プロのイラストレーターの個性を反映させるような研究は発表されていない.そこで,本研究ではプロのイラストレーターの個性を反映する為に,どのネットワークを用いれば良いか検討を行う.具体的には,pix2pix,CycleGAN ペア,CycleGAN 非ペア,Cyclepix の 4 つのネットワークを検討していく.違いとしては主に損失関数となっている.pix2pix は訓練データと生成データの誤差を取るが,CycleGAN では入力データと生成データを更に変換させた再変換データの誤差を取ることが主な違いである.Cyclepix は両方の誤差を取っている.また,pix2pix,CycleGAN ペアは Discriminator の入力が入力データと生成データペアと条件付けされており,CycleGAN 非ペアと Cyclepix では Discriminator の入力が生成データのみとなっていることも違いである.実験結果として,CycleGAN 非ペアと Cyclepix の評価が高いことが分かった.このことから Discriminator の入力が生成データのみ,Cycle Consistency Loss を利用することで精度が高い似顔絵を生成することに有用である.